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2010年 02月 09日
![]() ![]() click to enlarge. たまにお見かけする年配の女性。お話ししているうちに、店を 始めた頃にいらして、「昔、『ロシナンテ』にいたのよ」と仰って いたのを思い出す。 「続・石原吉郎詩集」を買って下さり、敗戦直後、『ロシナンテ』で 「あたし、まだ十代だったけど、40歳の石原さんと仲良かったの。 面白い人だったのよ」 お酒が飲めない質なので、石原吉郎におしるこをおごってもらったか、 あるいは彼女がおごったのか。小声の早口で仰るので、どっちだか 聞き取れなかった。 名前しか知らない石原吉郎と『ロシナンテ』。わたしが伺っても、 豚に真珠あるいは猫に小判。もったいない。 彼女は80歳になられる。知識のあるひとがお話を伺うべきだろう。 つくづく、無知と無教養と無学は犯罪なのである。 2010年 02月 08日
![]() ![]() ![]() click to enlarge. 待望の新訳だ。 「え、今さらランボー?」と不思議に思う、かつての若い人々、 「ランボーって名前は知ってる」という今の若い人々、どちらにも お勧めしたい。 「日本のフランス文学」臭を脱した、瑞々しく若々しい天才少年の 姿が、紙面から立ちのぼる。 「ある地獄の季節」から一部引用してみよう。 < __ああ! 俺はあまりに見捨てられているので、どんな神聖な 絵にも完徳へと向かう熱情を捧げてしまうのだ。 おお、わが自己犠牲よ、おお、わが素晴らしき隣人愛よ! それでも、 現世のことさ! 深キ淵ヨリ、主ヨ、俺は馬鹿か!>(p24 ボールドは原文は傍点) 詩は原文で読まなければ十全な鑑賞は不可能である。ごもっとも。 それでは世界中の詩を味わうためには世界中の言語を、十全に知り、 しかも鑑賞力も充分でなければならない。人類の誰ひとりとして、可能では なくなる。 詩人の身体から発せられ記述された言葉を、我が身に引受け、浸潤させ、 母語として再度、記述する翻訳者は、どれほどの困難と苦痛と歓びを通過 するのだろう。 すぐ新刊書店に走るべし! (河出文庫 10初 帯 J) 2010年 02月 07日
![]() click to enlarge. せっせと建築関係の本や雑誌のデータ打込みをしているが、 なかなかアップできない。数冊はHPの「03 建築と街並」に直接 入れたが、まず、気づいてはいただけないであろう。 せめてもの思いで、雑誌類だけまとめた新着欄をHP 03トップに 作ってみた。 建築本、ぼちぼち入れてます。よろしく。 2010年 02月 06日
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() click to enlarge. 何年振りかで払方町の聖地巡礼に。相変わらず静かなお屋敷町だ。 Sが写真を撮っていたら、老夫人から声をかけられる。 「どなたが住んでらしたか、ご存知?」 思わず「はい」と答えて、それきりになってしまったが、彼女に お尋ねしたらセイントの日常を話して下さったかもしれないと、 あとで気がついた。寒くて判断ミスした。無念である。 市ヶ谷や神楽坂は旧地名が残っていて、たのしい。地名が変われば 空気も異なる。 Sがなかなか船河原町に行きたがらない。部屋に戻ってから聞いたら、 日仏学院の建物を別のビルと勘違いして、つまらないとこだと思って いたらしい。 着いてみれば、あちこち、あれこれと撮っている。傾斜地をよく 活かしたレイアウトだ。 しかし急な坂が多い。寒さと坂道にかなり疲労する。 帰りの地下鉄駅だけ決めて、感じのいい道を選んで歩き続ける。 きれいな路地があり、入ってみたら尾崎紅葉が離れを借りて住んで いたお宅だった。「東京」としか言い様のない、板塀と敷石のある 路地だ。 もっと、ずっと歩いていたいが、やり過ぎないことを心がけて 戻る。それでも夜、どんなに疲れているかが解った。つい、体力を 過信してしまうのだろう。 今週の新着欄です、よろしく。 新着欄 2010年 02月 05日
![]() click to enlarge. コメディのようだが、「ねっとりした喜劇」というコメディらしからぬ 後味だ。 東山千栄子の山の手マダムが、上品な早口で愛想のいい言葉を連射し、 相手が返事しようとする瞬間すら与えず、抱いていたテリアを押しつけて、 女中にお茶を言いつけに行くシーンとか、部分でおかしい場面はあるのに、 全体としてコメディ感がしない。スピードの問題だろうか。 それはともかく、1959年の東京風景が残されているだけで素晴らしい。 タイトルバックのデザイナは誰だったのだろう? クレジットがないようだが、 丸の内や大手町の近代建築群の壁面に、キャストやスタッフ名が並ぶ冒頭から、 嬉しくなった。(壁面だけ見て、全部のビル名まで当てられれば文句なしだが、 残念ながら解らない。) 郊外に住む(どこだか見当もつかない)若尾文子が、丸の内の会社に 社長秘書として勤め出す。この当時だからOLではなく、「ビジネス・ガール」と 呼ばれている。略称のBGは、使われていない。 昼休みの屋上からは丸ビルが見える。丸ビルの見え方(角度)からして、 丸の内ホテル辺りでの撮影なのかしら。 日比谷公園での昼休み風景もあり、高い塔(?)が見えるが、不明。 満員の通勤電車シーンに変る直前が圧巻である。 正面奥に聖橋、土手際に覆いかぶさるように建つ「自由学校」流派の 建物、画面左端には国鉄・総武線が走り、聖橋の右下トンネルから赤い 車体の地下鉄・丸ノ内線が出てくる、そして最後に、土手上では画面奥へ 向かって、都電が進んで行く。 もう、このシーンだけで充分。また一本、東京映画が増えた。 2010年 02月 04日
![]() click to enlarge. お師匠さんがいらして2点・3冊、貸して下さる。3冊なのは1点が 上下巻だから。武満徹、またしても中断である。まあ、思い出した ように、ぽつんぽつんと読んで、いつの間にか読み終っているのが ふさわしい本、とも言えよう。若ければ一気に読み終えそうな本だが。 武満徹は1996年に死去。もう14年経っている。 敵も味方も区別のない、ただ、ぬかるみの中で互いに牽制し合う 状況が、長く続き過ぎた。と言っても、ヒーローを待望するような 一刀両断的解決を望むわけではない(誰がそんなこと・・・)。 鬱陶しさを見極め、見続ける気力を、死ぬまで持ち続けたい。 2010年 02月 03日
![]() click to enlarge. 写真は、蔵前界隈でよく見かけた鳥越神社の初午案内。でも鳥越神社 には、たどり着かず。 3日がかりでA4版500頁の本の鉛筆線引きを消した。ほぼ8割の頁に 数カ所ずつ、線が引かれていた。昨日は薄い本だが1冊、同じく消す。 腱鞘炎になりかねない。10日ほど肉体労働が続き、いつまで古本屋が やれるかしらと、少し不安になるが、体力を使わないやり口を考えれば いいのだろう。 線引きを消すときは、本をひっくり返して、天地をさかしまにする。 そうすれば文字を読まなくてすむし、アンダーライン箇所も見つけ やすい。 レジの足下には、雪ならぬ灰色の消しゴムかすが、びっしり落ちて いる。風雅じゃないなあ。 2010年 02月 02日
![]() click to enlarge. 昨日の雪も今日は溶ける。各商店の軒テントから、溶けた雪の 滴り落ちる音が絶えない。 「墨東綺譚」のお雪さんの住まいを思い出す。風流って寒い。 2010年 02月 01日
![]() click to enlarge. 「一国の首都 他一篇」(幸田露伴 岩波文庫)を、見て見ぬ振りする。 「日本SF古典集成 1」(横田順弥編 ハヤカワ文庫)でごまかしていたが、 佐藤春夫「のんしゃらん記録」や稲垣足穂「星を売る店」(終わり方が つまらない。神戸の街の様子はすてきだったのに。)なぞを読んでしまうと あとは押川春浪みたような短篇が残る。 軍事SF。興味が持てそうにない。 ごそごそ探して、読みかけだった「武満徹エッセイ選」(ちくま学芸文庫) に戻る。いい文章はいいものだと、落着いて眠る。(実際は、くたびれている ので、泥のような睡魔に引き込まれ、犬のように、丸太のように眠る。) 2010年 01月 31日
![]() click to enlarge. 昨夕、初めてのお客さまがいらっしゃる。にこにこしながら店の棚を 一周され、買って下さる。朝、氷点下の札幌を発って、こちらにいらした ので、「東京は暖かいですね」と仰る。 札幌のミニシアターで「私は猫ストーカー」をご覧になった方だった。 当店のこともwebで調べ、来て下さった。 先月いらしたときは谷中を歩き回り、映画の中で印象的だった、あの 大きなヒマラヤ杉を見つけられた! 「でも、あの近くの人に、それを言っても、誰も知らなかったんですよ」 それならば、ということで、チビトム小路を、ご案内する。 「ああ、ほんとにそうだ!」 「私は猫ストーカー」は、こんな風に愛される映画なのだ。 |
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