猫額洞の日々

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2009年 05月 22日

「ベルンハルト短篇集 ふちなし帽」/中原昌也「ソドムの映画市」読了

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 「ベルンハルト短篇集」が残り少ななので、何かないか。
買取本に「映画秘宝」が一冊。これにしよう。

 持ち帰ったら案の定、「ソドムの映画市_あるいはグレート
ハンティング的(反)批評闘争」(中原昌也 洋泉社 98年3刷)
を開いて読み始め、昨夜、読了。

 「映画秘宝」シリーズは全部読んだ訳ではないけれど、どれも
読後感がさわやかだ。

 そういえば、80年代には単館ロードショーが流行っていた。
あまり縁がなかったけれど(岩波ホールに「ルドヴィッヒ」を
見に行ったとき、古風なインテリ爺客の振舞いを目にした。
うんざりしてヒステリーを起しかけ、宇治晶氏にあやして
頂いたことがある。あのときは、ご迷惑をおかけして申訳ない)。

 くだらない映画を享受するのが知的でお洒落な行為みたいに
なってしまった80年代〜90年代の風潮に異議を唱える、誠実な
語り口の本である。

 今朝、「ベルンハルト短篇集 ふちなし帽」(トーマス・ベルンハルト
柏書房 05初帯)の残りも読了。

 ベルンハルト・フリークにはならなかったが、「イタリア人 断片」
に出てくる、旧家の家族のひとりが脚本を書き、家族で演じる劇の
話に心が動く。フェティッシュなオブジェ感覚が刺激されるのだろう。
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by byogakudo | 2009-05-22 15:36 | 読書ノート | Comments(3)
Commented by アルチュール at 2009-05-22 21:26 x
80年代に岩波ホールでどんなことがあったのですか?
よければ、聞かせてほしいです。
Commented by byogakudo at 2009-05-23 12:10
大したことではないのですが、ある種の声音や口調にひどく苛立つ質でして、同じく開場を待っていた爺のインテリ臭丸出し(自意識欠如)の声と話の内容(憶えちゃいませんが)に、殴りたい或いは映画も見ないでその場を去ってしまいたい衝動に駆られました。
その様子を見て取った宇治氏が、まだ流通していた500円札を折り、描かれた顔が笑い顔に変るのを見せて、気持をそらして下さった、という話です。
キャロル・ロール・コンサートのときは、ロビーで見かけた「おフランス」野郎の表情が気に入らなくて苛つき、草月会館ではパフォーマーの駄目さに腹を立て、おとなしく坐っている客にも怒り、帰ってしまいました。

80年代は怒ってばかりいたようですね。いまは怒りを抑えられますが。
Commented by アルチュール at 2009-05-27 00:24 x
なるほど。
よーくわかりました。


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