猫額洞の日々

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2009年 05月 26日

宮尾しげを「旅に拾った話」読了/野村胡堂他「捕物小説集1」へ

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 あんまり面白がれないまま、宮尾しげを「旅に拾った話」
(中公文庫 90初帯)を読み終える。元版だったら、それなりに
楽しんだかもしれない。
 熊本県の通潤橋の技術が、明治になって万世橋や新橋を
架ける技術へと引き継がれた話(p30)と、ソーラン節を弾く
猫の絵が可愛かったくらい。

 「粋人酔筆」シリーズも、もし活字の大きい近頃の文庫本に
収録されたら、つまんなくなるのだろうか?

 そこで、という訳ではないが、雰囲気だけはある「捕物小説集1」
(野村胡堂他 鱒書房 軽文学新書 55初 印)の出番だ。煙管と
灰吹きセット(?)の描かれたJが気分を出し、各編に今村恒美・
三谷一馬他、挿絵もついている。
 短篇のあとに必ず、作者あとがきがあるのも嬉しい。

 作品はというと、期待せずに読めば楽しめる。第一篇の横溝正史
なぞ、「オリエント急行」そのまま。
 城昌幸「狂い恋」に添えられた木俣清史の挿絵は、女の首無し死体の
描き方がうまい。上半身を少し持ち上げた死体の、襟元だけ見える
アングルの選び方がいい。乱れた足下の描き方は、脚がどこかに
消えたような感じで残念だけれど、扇情的になるのを避けている。
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by byogakudo | 2009-05-26 13:19 | 読書ノート | Comments(0)


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