猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2009年 07月 07日

ドミニック・ファーブル「美しい野獣」読了/ヴィッキー・バウム「上海ホテル」へ

e0030187_12523792.jpg






click to enlarge.


「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F
 6月26日(金)〜7月25日(土)
 

 昨日は失礼しました。

 フランス・ミステリはどうもミステリの概念からして違っている
ようで、英米のミステリを基準に読むと、こんなにいい加減な捜査で
事件が解決するのかとか、いろいろ不満が出てくる。

 危ぶみながら読み出したドミニック・ファーブル「美しい野獣」
(HPB 71再)だが、ミステリではなくフランス心理小説の伝統に
則った作品と了解すれば納得できる。

 女を心理的に追いつめ、自殺にまで追いやることに快楽を見いだす
しょうもない男が主人公だ。ハンサムで無為徒食が可能な大金持ち
だから、獲物を見つけて追いつめることが彼の生き甲斐になっている。

 最初の妻の自殺に味をしめ、次に狙ったのが婚約者のいるイギリス女。
誘惑して婚約破棄させ、彼女と結婚するが、彼の追いつめ方というのが、
「白い結婚」を強制することである。ジッドを読んだことがないのに、
なんでわたしはこの言葉を知ってるのだろう?

 それはともかく、ゲイの美青年を同居させてみたり、いやがらせの限りを
尽くして彼女を自殺に追い込もうとするプロセスが、じっくり丁寧に描かれる。
 と要約すると退屈そうと思われるだろうが、筆力があるので愉しく読んだ。

 読み終わってもしかして?と思い、web検索するとやっぱりヘルムート・
バーガー/ヴィルナ・リージ主演の「雨のエトランゼ」の原作だった。これ又
見ていないが。

 マゾヒスティックなサディスト、「宿命の男」である。(マリオ・プラーツ
「肉体と死と悪魔」で憶えた。)あの頃のヘルムート・バーガーにぴったりの
役柄だ。ヴィデオかDVDは出ているかしら。

 昨日か一昨日からヴィッキー・バウム「上海ホテル」(改造社 39初)。
昔からちょっと気になっていた作家だが、「グランドホテル」ではなく、
装釘とタイトルが素敵なので、こちらを読み始める。退屈しながら
それでも読んでいる。
[PR]

by byogakudo | 2009-07-07 12:55 | 読書ノート | Comments(0)


<< ヴィッキー・バウム「上海ホテル...      あら、 >>