2009年 08月 26日

吉行淳之介「私の東京物語」読了

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 写真は元船着き場。立入り禁止が残念。降りて、水に手をふれたい。
隅田川では、とくに河口近くが好きだ。潮の香がして、気配はあるが
まだ見えない海の存在に惹かれる。

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 9月5日(土)、6日(日)古書 往来座 外市 /雨天決行に、
伊呂波文庫さんとともに当店も参加いたします。

 ところで、東京ワッショイさんでもご紹介の「私は猫ストーカー」、
都内での上映は明後日までです。
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 山本容朗編の「私の東京物語」(吉行淳之介 文春文庫 95初 J)を昨夜、
読了。楽しかったのは、戦前の子ども時代の銀座の思い出を書いた「銀座と
私」だ。前に読んでいるが、やはりうらやましい時代だ。K夫人も、中原純一の
お店で服を誂えてもらったことが一度あると、仰っていた。戦前の山の手の
子ども、というのは、体験してみたかった。(その後、戦中戦後のドタバタが
続くのであるが。)

 最後に収められた「風景と女と」は、ゆっくり再読したい。娼婦とデイト
しながら街を歩き、彼女を触媒として、かつての女たちとの出来事を
思い出す、という構造である。
 過去と、デイト中の現在とが、古いフィルムを映すように、揺らめくように
描かれる。
 女との間に金銭のやり取りがあるというのは、吉行淳之介にとって、
トリスタンとイズーの間に置かれた剣に等しい、愛の保証ではないか。
 女を買うことって、なんだろう。
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by byogakudo | 2009-08-26 12:39 | 読書ノート | Comments(0)


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