猫額洞の日々

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2009年 09月 23日

アガサ・クリスチィ「エンド・ハウスの怪事件」読了

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 写真は、たしか築地で。


 W・H・ホジスン「夜の声」、好きだけれど、似たような海の化け物話が
並ぶので、「エンド・ハウスの怪事件」(アガサ・クリスチィ 創元推理文庫
75初 J)を途中に入れた。

 読み終わったが、前に読んでいるのかいないのか、まったく解らないから
初読ということにしよう。

 「遠近法は神の視点」というフレーズが浮かんだ。いきなり出てきた訳では
なくて、なぜクリスティは、ポアロやミス・マープルのような名探偵を作ったか
と考えていたら、浮かび上がった。

 ポアロはイギリスに暮らすベルギー人であり、ミス・マープルは英国人だが
一人暮らしの老嬢である。どちらも社会的にはアウトサイドだ。
 しかし外部であることによって、市民社会の中に起きる事件を鳥瞰する
目が持てる。

 シャーロック・ホームズの昔から、探偵小説家が名探偵の変人ぶりを
強調するのは、彼らの他者性を際立たせ、神の視点には及ばずとも、
社会の中に充足して存在していては持ち得ない、客観的なまなざしを
彼らに与えるためなのだろう。

 彼ら名探偵たちは、物事を大小に関わらず点検して出来事を整理し、
事件の見取り図を読者に展開する。そこでいきなり「遠近法は神の視点」
が出てきたのだが、飛躍しすぎている・・・。
 ヴェラスケス「侍女たち」まで思い浮かんだのは、どういう観念連合
なのか、我ながら不明だ。
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by byogakudo | 2009-09-23 13:00 | 読書ノート | Comments(0)


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