猫額洞の日々

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2009年 10月 08日

シムノン「メグレ保安官になる」読了/「霧の港のメグレ」半分弱

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 お言葉に甘えてゆっくり読み出したメグレ警視シリーズ、
「メグレ保安官になる」では、メグレ氏はアリゾナ州ツーソンに
滞在中である。なんでまた?

 「メグレ式捜査法」と逆のパターンで、今回はメグレ警視が
アメリカで研修旅行をしたときの話だ。証人審問が開かれるから
見てみたら?と誘われ、どんな事件かも分からず、法廷でひとり、
ほったらかされて坐っているシーンから始まる。

 徐々に事件が明らかになり、フランスとは異なるアメリカでの法廷の
様子が描かれるが、主題はヨーロッパから見たアメリカ文明批評だ。

< ある国とよその国では、いろいろなことが変る。どこへ行っても
 同じものもある。
  しかし、もしかしたら、国境を越えてもっとも色彩が変るのは
 悲惨さではなかろうか?[中略]
  ここでは、彼は、ボロのない、きれいに洗い上げた惨めさ、浴室の
 ついた惨めさの存在に感づいている。これが彼にはいっそうつらい、
 いっそう冷酷で、いっそう絶望的なものに思える。>(p103) 
     (メグレ警視シリーズ39 河出書房新社 79初 帯 VJ欠)
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by byogakudo | 2009-10-08 14:09 | 読書ノート | Comments(0)


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