猫額洞の日々

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2009年 10月 12日

シムノン「メグレと善良な人たち」/北尾トロ「ぶらぶらヂンヂン古書の旅」読了

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 写真は、旧乃木邸・葡萄棚の下で。昨日のキャットハウスの
住人と思しき、シャイな猫。ロシアンブルー混じりかしら?

 北尾トロ「ぶらぶらヂンヂン古書の旅」(文春文庫 09初 帯 J)は
ずいぶん前に読んでいて、感想文を書き忘れていた。
 いま思い出せるのは、オンライン古書店からリアル古本屋へと
転身できるのは、やっぱり若い体力気力があるからだろうか、
という感慨である。
 リアルからウェブへの、逆は年齢に関係なくできる。ワゴンの
出し入れを考えると、古本屋自身が古びるほどに、ウェブ依存が
高まりそうだ。

 「メグレと善良な人たち」は、夏の終りから秋へ向かうパリの
様子が効果的に描かれている。

 メグレ警視はヴァカンスでたっぷり三週間、仕事から離れていた。
帰ってきても、なかなか本来の調子に戻れず、そんな自分に苛立つ。
 夏の気配が去らない、観光客や陽焼けした若い娘の多いパリの
有り様にも、うんざりする。

 立派なブルジョア家庭の主人が殺される。聞き込みに行くと、
 「いい方ですよ」ばっかりなのにも、うんざり。何か理由が
なくて、どうして自宅で殺されるんだ?と苛立つ。

 じりじりしながら捜査を進めていたある夜、パリに雨が降り、
秋が来ていると実感する。
<パイプは今年になってはじめて秋の味がした。>(p154)
 雨が続き、秋になるとともに事件が解決する。

     (河出書房新社 78初 TV化帯)
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by byogakudo | 2009-10-12 14:19 | Comments(0)


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