2009年 10月 17日

「ゴースト・ストーリー傑作選 英米女性作家8短篇」/シムノン「メグレとひとりぼっちの男」読了

e0030187_1583640.jpg









click to enlarge.


 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄

 「気仙沼は待ってくれる」ので、我がお師匠さんは結局、この夏は
フランスに行かれた。フランスだって待ってくれるが、パリまでの飛行機、
着いてからはモン・サンミシェル、シャルトル、ルーアンへの移動と、体力が
ものをいう旅行である(教会建築を見る旅だったのだろう)。
 気仙沼は来年まわしになり、戻って来られても一週間、ブラブラしていらした
という、お師匠さんからお借りしたのが、「ゴースト・ストーリー傑作選 英米女性
作家8短篇」(みすず書房 09初 帯 J)。

 シムノンを寝る前に読み終えては、寝床で少しずつ読んでいた怪談集だが、
怪談としては、最後のイーディス・ウォートン「呼び鈴」が傑作であろう。

 ヒロインの目にしか見えない(ようであるが、他の召使いたちは見て見ぬ
ふりをしてるのかも知れない)死んだ小間使いの幽霊、彼女を頼っていた
ような病弱な女主人、粗暴で使用人から嫌われている主人、ときどき訪れる
隣家の主人。
 新たに雇われた小間使いであるヒロイン他、召使いたちのリアリティは
よく伝わるのに、主人たちの人間関係は、薄やみに包まれた書き方だ。
暗い邸内を幽霊が静かにヒロインを誘うが、できごとは淡く描かれる。
 けして鳴らしてはならない呼び鈴が鳴るとき、女主人は死に襲われる。

 透明でひっそりしたタッチがすばらしい。全8篇を読み終えると、
フェミニズム怪談集に思えてきた。

 シムノン「メグレとひとりぼっちの男」は、二人の男から同時に愛された
若い女の描き方がうまい。間接的に描かれるだけだが、きっと素敵な娘
だったのだろうと想像させる。
     (メグレ警視シリーズ26 河出書房新社 78初 TV化帯)
[PR]

by byogakudo | 2009-10-17 15:02 | 読書ノート | Comments(0)


<< Ingrid Caven again      「ダブリンで死んだ娘」余談/シ... >>