2009年 10月 20日

シムノン「メグレと田舎教師」読了/「メグレとリラの女」1/2

e0030187_1225162.jpg









click to enlarge.


 昨日は(昨日も)失礼いたしました。ブログを非公開で送ったまま、
忘れて帰ってしまいました。いよいよ惚ける季節の到来でしょうか。

 「メグレと田舎教師」は、農村は暗いよという話、と言って
しまっていいものか。村落共同体の中の異分子、よそ者の教師が
村の嫌われ者を殺した疑いをかけられたので、パリのメグレ警視に
助けを求めに来る。
 管轄外だから何も手出しはできないけれど、メグレ氏はわざわざ
休暇を取って、彼の住む村に同行する。水戸黄門みたい(見たこと
はない)。

 都市と村の微妙な関係がよくわかる。パリの有名人になって
しまったメグレ警視も田舎の出身なので、滞在しているうちに
子ども時代の村の人間関係を思い出す。
 お葬式か結婚式しか晴れがましい日のない村人たちは、一生
この土地に縛りつけられる運命にある。街から来たよそ者には、
不信感と羨望の混ざった思いを抱くものだと理解し、嫌われて
いても同村者が殺されれば、共同体の安定を図るべく、犯人は
まずよそ者にしておくものである、と。

 本は、こんな粗っぽいものではありません。苦みをひそめて
微妙に書かれている。
     (メグレ警視シリーズ24 河出書房新社 78初 TV化帯)
[PR]

by byogakudo | 2009-10-20 12:03 | 読書ノート | Comments(0)


<< シムノン「メグレとリラの女」読...      シムノン「メグレと運河の殺人」... >>