猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2009年 11月 13日

モートン・ルー「ザ・ウェーブ」読了

e0030187_15115723.jpg






click to enlarge.


 お師匠さんが「どうもな」と言いながら貸してくださった。後に
「感心しないぜ」という台詞が続くのだろう。

 1969年にアメリカのあるハイスクールで実際に起きたできごとをもとに
小説化したそうだが、ミイラ採りがミイラになる、生兵法は大けがの元、
といった類いの諺が思い浮かぶ話である。

 歴史の授業でナチの大量虐殺フィルムを生徒に見せたところ、
 「そんなひどいことが起きてたのに、見て見ぬふりをしてたなんて、
信じられない!」という反応だった。

 そこで歴史教師がクラスを使って実験してみた。規律と共同体帰属意識
とを刺激する「ザ・ウェーブ」運動を指揮してみたら、子どもたちの熱狂する
こと甚だしい。遂には仲間に加わらない生徒を排撃するような、ファシズム
状態を引き起こし、教師はあわてて、彼らの憑物を落とさなければならなく
なったとさ、というお話だ。

 なんというか、ふくらみのない話で、小説ではなくシノプシスみたいだ。
漫画っぽいイラストレーションのJ挿画にも怯まず、読んでないから読んで
みようと好奇心を働かせる、お師匠さんの若さがすごい。

     (新樹社 09初 帯 J)
[PR]

by byogakudo | 2009-11-13 15:35 | 読書ノート | Comments(0)


<< ドナルド・E・ウェストレイク「...      「明治探偵冒険小説集4傑作短篇... >>