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猫額洞の日々

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2009年 12月 04日

「東京人 2010年1月号 東京23区がわかる本」を読む

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 中野区も、もちろん出ている。中野区と言えばまず定番として
オタクのメッカ、中野ブロードウェイの紹介に筆が費やされる。
 ブロードウェイの建築家名を初めて知ったが、小見出しに「ブロードウェイ」や
「オタク」の文字はない。終わりの方に、新井薬師や中野新橋の花柳界の
話があるからだ。

 都内の花街としては柳橋、新橋が一流である(あった)けれど、東京
全域にそれぞれ花柳界があったことは、たとえば吉田健一「東京の昔」
でも、飲み足りなくて馴染みの白山の待合に行く場面があったりする
ことで、よくわかる。

 中野新橋の花街を描いた小説は、さすがにないと思うけれど、1980年代
までは、たしかに元花街の趣きがあった。今では集合住宅に変っている。

 後半の鼎談で川本三郎が、もう町起こしもイヴェントも、なんにもやらないで、
ほっといてくれないかと嘆いているのに、全く同感する。
 「静かに滅びませんか、皆さん」と呼びかけたいところだが、若い方に
こんなことを言っては悪いだろう。でも、成り上がるより成り下がる方が
上品である。

by byogakudo | 2009-12-04 16:35 | 読書ノート | Comments(4)
Commented by 芽句 at 2009-12-05 00:28 x
まったくもって、静かに滅びたいものですね。
「じたばたするんじゃないよ。見苦しい。」と言いたいわたしです。
町おこしと開発の愚かしさに、いまだ気づかない輩には一体どうしたものか・・・。
「成り上がるより成り下がる方が上品である。」まったく同感の極み!!
猫額洞語録の中でも、この言葉はダントツ素晴らし!!!
あの世の小林秀雄も喜びそう。(笑)。
Commented by byogakudo at 2009-12-05 11:59
 (むむッ、あたしは小林秀雄って何か読んだことあるだろうか? 
読んでないぞ、たぶん・・・)

 芽句、お元気でしたか! 
 「電話しようかなあ、あ、でもフロフェッサー(プロフェッサーの
誤植ではありません)時間だ!」という訳で、連絡しなかったのです。

 もう書き上がりましたか?
Commented by 通りすがり at 2009-12-05 23:21 x
通りすがりの者です。

>オタクのメッカ、中野サンプラザ

何か勘違いをされているようですが
オタクのメッカというなら
「中野ブロードウェイ」の間違いでしょう。
少なくとも中野サンプラザではありません。
Commented by byogakudo at 2009-12-06 12:33
通りすがり さま

ご指摘、どうもありがとうございます。何をうっかりしていたのでしょう、
ブロードウェイのつもりでサンプラザと書いていました!
おかげで訂正できました。ありがとうございます。


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