2009年 12月 23日

シムノン「メグレの退職旅行」が捗らない

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 メグレ警視シリーズは、長篇(それほど長くないが)の方が面白いのは、
短篇だと、できごとを書くだけで終ってしまうからだろうか。メグレ警視や
夫人・友人・部下たちとの交流、事件関係者たちの生活ぶりなど、いちばん
生き生きとしたシーンが、短篇では省かれてしまう。

 代りに、ミステリだから謎解き部分が大半を占め、死体の取り替えだの
隠し部屋だの、古くさいトリックが表面に立って、こちらとしては、どうも
つまらない。

 短篇集最後に収められた表題作「メグレの退職旅行」は、期待できそうだ。
せっかく旅行に来たのに、悪天候で散歩にも行けない。メグレ夫人なぞ、
列車の中でもやっていた編物に取りかかり、警視はサロンをうろうろと
動き回るだけ、という始まり方である。
     (角川文庫 71初 帯 J)
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by byogakudo | 2009-12-23 13:31 | 読書ノート | Comments(0)


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