猫額洞の日々

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2009年 12月 25日

ドナルド・ E・ウエストレーク「ジミー・ザ・キッド」読了

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 これは好き。これが好き、と言うべきか。ウェストレイク、他にも
読んだが、どれもいまいち、盛り込み過ぎて長過ぎた。いつも
このくらいの長さで、エンディング近くでの無駄な引っぱりが
なかったら、と思っていた。

 映画監督志望の天才少年を誘拐するものだから、ドートマンダー
たちはひどい目に遭う。「赤い酋長の身代金」みたいなお話。

 誘拐犯と、いったん脱出に成功したが戻るはめになった少年とが、
仲良くTVで「フランケンシュタインの花嫁」を見たり、FBIの捜索を
逃れる最中の森の中で、「海賊ブラッド」を見る場面がある。
 少年は誘拐犯たちに向かって、それぞれの映画のカメラ・アングルの
素晴らしさを熱く語って聞かせるが、あんまり感銘は与えられない。

 映画の話は他にもある。ドートマンダーが同居人のメイを、初めて
馴染みのバーに連れていったら、珍しく取っ組み合いの喧嘩中だ。

<店内の他の三人の客は全員テレビの方へ身を乗り出し、ジョージ・
ペパードがジル・セント・ジョンに何といっているのかを聞きとろうと
していた。>(p88)
この映画は何だろう? ジョージ・ペパードとジル・セント・ジョン、
という泣けてくるようなキャスティングだ。
     (角川文庫 77再 J)
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by byogakudo | 2009-12-25 19:53 | 読書ノート | Comments(0)


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