2010年 01月 26日
click to enlarge. 1960年代前半の映画と、映画を取巻く状況を語る「地獄の 映画館」は、検閲行為への徹底した批判がすばらしい。 62年度の<1 「税関検閲」を撤廃せよ>から、それは始まる。 「太陽はひとりぼっち」で、ヌードの描いてあるボールペンが 検閲の対象とされた。裸体画に描かれた毛がいけない、という。 しかも、輸入会社に現れた税関の課長曰く、 「これで(おまえら宣伝部も)良い宣伝材料ができたろう」(p151) 以下、<16 ヒッチコックの「ロープ」、初公開>でも、 「パラダイス」という映画が税関で三カ所切られた話(p195~196)、 <31 税関検閲の"黒い霧">での、「続・わが闘争」と「良心なき 世代」のカット(p237-239)、 <33 このファッショ的発言>では、「温泉芸者」上映禁止運動他に ついて(p243-245)、 <50 奇怪な警視庁"警告">では、サリドマイド・ベビーを見せる 「世界女族物語」が、「児童福祉法に反する」として警視庁から 警告が出たこと(p294-295)、 <67 事実とフィクションの間>では、「ヨーロッパの裏窓」で 肉体の一部が真っ白い穴になって上映されていること、が記される (p346)。 検閲及びその尻馬に乗るようなファシスト的行為に対して、批判の 手を緩めない。こうでなくっちゃ。 (集英社文庫 84初 帯 J)
by byogakudo
| 2010-01-26 13:39
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