2010年 02月 08日
click to enlarge. 待望の新訳だ。 「え、今さらランボー?」と不思議に思う、かつての若い人々、 「ランボーって名前は知ってる」という今の若い人々、どちらにも お勧めしたい。 「日本のフランス文学」臭を脱した、瑞々しく若々しい天才少年の 姿が、紙面から立ちのぼる。 「ある地獄の季節」から一部引用してみよう。 < __ああ! 俺はあまりに見捨てられているので、どんな神聖な 絵にも完徳へと向かう熱情を捧げてしまうのだ。 おお、わが自己犠牲よ、おお、わが素晴らしき隣人愛よ! それでも、 現世のことさ! 深キ淵ヨリ、主ヨ、俺は馬鹿か!>(p24 ボールドは原文は傍点) 詩は原文で読まなければ十全な鑑賞は不可能である。ごもっとも。 それでは世界中の詩を味わうためには世界中の言語を、十全に知り、 しかも鑑賞力も充分でなければならない。人類の誰ひとりとして、可能では なくなる。 詩人の身体から発せられ記述された言葉を、我が身に引受け、浸潤させ、 母語として再度、記述する翻訳者は、どれほどの困難と苦痛と歓びを通過 するのだろう。 すぐ新刊書店に走るべし! (河出文庫 10初 帯 J)
by byogakudo
| 2010-02-08 12:49
| 読書ノート
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