2010年 02月 11日

柳光司「ダブル・ジョーカー」読了

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 お師匠さんからお借りしている本の1冊、「ダブル・ジョーカー」
(柳光司 角川書店 2009初 帯 J)を読み終える。

 日本陸軍内部の非公認(!)スパイ組織の活躍を、手さばき鮮やかに
描いている。巧い。

 泥くさい・田舎くさいイメージの陸軍の中に、なぜ都会派の
スパイ組織を作ろうという幹部が出現したのか、彼の抜擢に答えて
民間人から、タフでお洒落でクールな若者が志願したのは何故か、
前作に書いてあるのかしら?

 この前提がクリアできていないので、よく書けてはいるけど、
どうも物語に没入できない憾みがある。

 だいたい、成功したスパイとは生き延びたスパイであるという
設定自体、時代的に無理ではないだろうか。英米流のスパイ意識
(ゲーム感覚)をもつ若者なら、その時代、むしろ左翼として
非合法活動に走っていそうだが、なんて言ってるようでは、エンタ
テインメントは楽しめない。

 伊坂幸太郎とか、この柳光司とか、上手だなと思うけれど、
よくできていればいるほど感情移入が難しくなるのは、エンタ
テインメントという枠組の問題か。
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by byogakudo | 2010-02-11 14:36 | 読書ノート | Comments(0)


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