猫額洞の日々

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2010年 02月 21日

奥泉光「神器 軍艦「橿原」殺人事件」上巻読了

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 写真は、蔵前散歩のときのお寺・光明寺で。

 近頃の日本の小説は、チャッチャと話が進んで、あっという間に
読み終わるように書かれていると思っていたら、その逆を狙った
ような感もある奥泉光「神器 軍艦「橿原」殺人事件」(新潮社 09初
帯 J)だった。上巻だけ読むのに、こんなにかかるとは。

 上下巻だから、やっと半分であるが、いまだ軍艦「橿原」の行く先も
はっきりしない。下巻ではどこかにたどり着くのだろうか。

 探偵小説好きの主人公(いちおう)が書いた「緑死館殺人事件」は、
<[略]連続殺人事件が七、八回起こったあたりで登場人物が五〇人を
 越え、収拾がつかなくなり、{略]>(p3)という凄い作品らしいが 、
「黒死館殺人事件」が仮説を立てては否定し、の繰返しであるように、
「神器」でも、何度も行き先についての仮定が立てられては、その
都度、否定されることを繰返す、厚塗り筆法だ。

 日本近現代史を、軽巡洋艦「橿原」に圧縮して閉込め、今に至る
日本について考えよう、ということだろうか。
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by byogakudo | 2010-02-21 13:39 | 読書ノート | Comments(0)


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