2010年 02月 22日

奥泉光「神器 軍艦「橿原」殺人事件」下巻半分強

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 上巻の手間取り様と比べて、これはどうしたものだ。軍艦「橿原」に
集約された宇宙を、読者の頭に植えつけるのに筆を費やした作者の
せいか、飲み込みの悪い読者の問題なのか、そこらは不明だが、今や
「橿原」宇宙は、浮かばれない死者と自殺者・他殺者で犇めき合い、
生き残ってる連中には男色の淫風吹き捲くり、よくこれで船が進行して
いるものだと感心する。

 この本に比べれば、筒井康隆「巨船ベラス・レトラス」は、なんて
すっきりした小説だったろう。詰め込めるだけ詰めて圧縮するから、
解凍が大変なのかもしれない。

 しかし、昔だったら右翼から非難囂々の本だが、近頃は読書力が高く
なっているので許容範囲が拡大したのか、それとも長くて読むのが
大変だから、読まれていないのか。あるいは新潮社刊なので大丈夫
なのか?

 あっ、忘れてた! 「大和」と「武蔵」の当て字は、それぞれ「矢魔斗」
と「無左志」だった。18日付けの「無三四」は、大間違いです。失礼。
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by byogakudo | 2010-02-22 13:32 | 読書ノート | Comments(0)


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