2010年 03月 19日

遠藤周作「ヘチマくん」読了

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 昭和三十年代半ば(1960年前後)、もはや戦後ではなく、経済成長に
向けてやる気満々の東京・日本の風俗小説として愉しかった。主人公・
ヘチマくんが、周りの勢いに流されて生きるしかないと自覚しているので、
周囲の「ヤッタルデ」精神が強調されるのであるが。

 ところで、遠藤周作も獅子文六も久生十蘭もパリ留学組だが、戦前に
行った後者ふたりの書くものは乾いていて剛胆な印象を受け、戦後の留学生・
遠藤周作の小説は、彼らに比べるとウェットである。

 作者の個性の違いといえばそれまでだが、戦勝国家・日本からの留学と、
敗戦国家からの留学との時代的差異と見るのは、どうだろう? 妄説ですけど。
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by byogakudo | 2010-03-19 19:58 | 読書ノート | Comments(0)


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