猫額洞の日々

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2010年 03月 21日

友人たち__新宿トップスの終わり

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 シアター・トップスのあるトップスハウスになる前の新宿トップス、
1970年代から1980年代のトップスだ。行けばいつでも誰かがいた。
 席を移って喋ったり、黙礼だけだったり。

 80年代のある冬の夜、混雑したトップスだった。M氏の隣に見慣れぬ
顔がある。一瞥して、ひどい酩酊ぶりに眼を背ける。わが身を振り返らぬ
言い種だが。

 その当時のトップスのお手洗いは男女兼用で、出ようとしたら、入ろうと
する件の見知らぬ青年とぶつかりかけた。ふたり同時に、
 「ごめんなさい!」
 彼の声の響きで、とても繊細なひとだと解った。(声や話し方は、ひとを
露にする。)鈴木創士氏と初めて遇ったときである。

 あるいはある午後、女友だちと一緒だった。Sがひとりで坐っていた。
コーヒーを一口飲んで、次に小さなミルクピッチャーからミルクを飲む
のを見て、
 「あら、口中カフェオレね」と、ふたりで噂する。

 東京は強制終了とリセットの街だ。街も記憶もすべて喪われてゆく。
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by byogakudo | 2010-03-21 14:40 | 雑録 | Comments(2)
Commented by ES at 2010-03-22 00:32 x
そんなこともありましたっけ。冬の幽霊。でも生きてたんですよね、これが、今もその時も(残念ながら、と言うほうがいいのかな)。いや、僕も覚えていますよ、なぜかぼんやりと(!)ですけれど。おぼろげなのは仕方ないとして…。ひどくふらふらの幽霊だったですものね。何十年来、異郷に客たり。←一休和尚の言葉です。
Commented by byogakudo at 2010-03-22 13:13
<異郷に客たり>ですか。たしかに、ずうっと「異星の客」だった感が
あります。死ぬまで違和感が続くのでしょう。
幽霊みたいだけれど、お互い長生きの幽霊。
もうすぐお誕生日ですね。


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