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猫額洞の日々

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2010年 03月 24日

「パリ、ジュテーム」を見た

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 5分くらいの短編が14本集められた「パリ、ジュテーム」。玉石混淆と
までは行かず、砂利の中にきれいな準宝石が4編あった。

 コーエン兄弟の「チュイルリー」では、地下鉄チュイルリー駅でガイド
ブック頼りのおのぼりアメリカ人、スティーヴ・ブシェミが散々な目に遭う。
 彼はなんで、あんなにどっさり、モナリザ絵はがきを買っていたのだろう?

 リチャード・ラグラヴェネーズ「ピガール」。ボブ・ホスキンスとファニ−・
アルダン(ああ、太っちゃった! でも、すてき)が中年の恋の鞘当てを
見せると思わせて、オチが巧い。

 「ペール・ラシェーズ墓地」は、オスカー・ワイルドのお墓の前で婚約解消
沙汰になった男を見て、ワイルドの亡霊が出現。彼女を追いかけろと諌める、
ロマンティック・コメディ。監督がなんと、ウェス・クレイヴン!

 アレクサンダー・ペイン「14区」。デンヴァーの女性郵便配達人が、上手く
ないフランス語で、小学生の作文並のパリ旅行記を読み上げる作りだが、最後、
ほろりとさせる。
 アメリカの中年女のヨーロッパひとり旅というと、「旅情」。しかし、ここでは
恋は発生しない。けれども輝く一日が存在する。

 あとの10編は、PV上がり(差別用語)みたような、しだらなさだ。

by byogakudo | 2010-03-24 13:29 | 映画 | Comments(0)


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