猫額洞の日々

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2010年 03月 27日

「岡本綺堂随筆集」半分弱

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 写真は、4mの距離を保って、コテンとお腹を見せる猫(S談)。
わたしは、まだ遇ったことがない。


 種々の随筆集から抜粋された「岡本綺堂随筆集」(千葉俊二編
08年4刷 J)だが、「五色筆」中の「思い出草 四 湯屋」に、銭湯に
二階があった頃の思い出が書かれている。

 七歳か八歳の綺堂少年が、近所(麹町四丁目)の湯屋の二階に
連れて行ってもらったのは、1880年頃と思しい。

<[略]火鉢に大きな薬缶(やかん)が掛けてあって、その傍(そば)には
 菓子の箱が列(なら)べてある。後(のち)に思えば例の三馬の『浮世
 風呂』をそのままで、茶を飲みながら将棋(しょうぎ)をさしている
 人もあった。
  時は丁度五月の始めで、おきよさんという十五、六の娘が、菖蒲
 (しょうぶ)を花瓶(はないけ)に挿していたのを記憶している。松平紀義
 (まつだいらのりよし)のお茶の水事件で有名な御世梅(ごせめ)お此
 (この)という女も、かつてこの二階にいたということを、十幾年の
 後(のち)に知った。>(p81)

 松平紀義のお茶の水事件といえば、都筑道夫「東京夢幻図絵」中の
「浪花ぶし大和亭」に、松平紀義の贋ものが出てくる。被害者・御世梅
この、の読み方について、

<御慶の御に世界の世、梅松桜の梅と書いて、さあ、なんと読むんで
 しょう。わたしが見たなん冊かの本は、ゴセウメ、ゴセメ、ゴヨノ
 ウメ、ゴヨウメ、みんなふりがなが違ってるんで、どれが正しいのか、
 わかりません。とにかく名前は、この、という四十歳の大年増。
  わたしはミヨウメじゃないかと思うんだが、[中略]、この事件の
 顛末を読物にしたてた本には、ゴセメとルビがふってある。いちばん
 古い文献だからって、あまり信用はできませんが、いちおう御世梅
 (ごせめ)このでお話ししましょう。>(p33~34 中公文庫 78初 J)

  今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄 
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by byogakudo | 2010-03-27 14:48 | 読書ノート | Comments(0)


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