2010年 04月 18日

内田百閒「ものづくし」2/3

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 クールダウンのために無意識に選んだのだろうか、内田百閒「ものづくし」
(福武文庫 93初 J)を読み出した。じつは、内田百閒とか稲垣足穂とか、
あまり得意(?)ではない。いいんだけれど、ちょっと違うと思う。たぶん、
上方の粘っこさに違和感を感じるのではないかしら?

 このエッセイ選集は好きだ。ものにまつわる記憶を辿る文章を読んでいると、
自分の記憶も喚び起こされる。

 「ひかり」という題のエッセイは、昭和17年(1942年)4月の「アサヒグラフ」
初出だが、煙草の「ひかり」や「朝日」の話から、東南アジアの占領地で
日本語を教える場合に、ローマ字表記から始めた方が便利であると結ばれる。

 その中に、漱石宅の客間には、いつも「朝日」が出してあったとあり、そう
いえば子どもの頃、昭和30年代くらいまでは、お客用の煙草が煙草入れに
準備されていたのを思い出す。

 祖父の銀色のシガレットボックスもあった。何かの記念にもらったもので、
蓋の内側に書いてあったのだが、そこまでは思い出せない。右側にオルゴール
ボックスが付いていて、メロディーは、これも何だったっけ?「トロイメライ」か
何か、だったろうか。
 両切りの「ピース」が入っていた。田舎町の洒落男であった祖父にして
みれば、できれば外国煙草でありたかっただろうと想像するけれど、当時、
それは叶うべくもなく、デザインと味から両切り「ピース」に落着いた、という
ところではないか。

 子ども時代を思い出すのは、歳を取って来た証拠でもある。やれやれ。
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by byogakudo | 2010-04-18 14:05 | 読書ノート | Comments(0)


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