2010年 04月 20日

越澤明「東京都市計画物語」を読み始める

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 後藤新平たちの東京復興計画がどんなに優れたものであったか、
もう一度、見直されるべきではないかという立場で書かれている。
 それはいいのだが、不用意な記述が散見される。

< 区画整理は元来、ドイツで郊外地開発の手法として誕生した
 ものである。帝都復興事業では既成市街地に区画整理が世界で
 初めて実施された(欧米では区画整理のような民意を尊重した
 面倒なやり方は採らずに超過収用、受益者負担により都市改造を
 実施している)。>(p046)

 ふーん、成田はアチラを見習って強制執行さるべきだったのか。

< 区画整理の効果と恩恵について今日、都民はあまり自覚して
 いない。しかし区画整理を実施しないまま市街化した地区(東向島、
 東池袋、大久保、東中野などちょうど、都電荒川線やJR山手線の
 内外にベルト状に拡がっている)の現状をみるとこの点は明らかで
 あろう。これらの地区では道路が狭く、屈曲して、救急車やタクシーの
 出入りにも支障があり、オープンスペースに乏しく、また老朽化した
 木造アパートが密集している。近い将来、老人や外国人の多いスラムと
 なる恐れさえある。>(p046~050)

 著者は石原慎太郎的xenophobiaでもあるらしい。悪気があって筆が
滑ったのではないなら、粗雑な展開を恥じるべきだろう。なんだか、
アメリカン・スタンダードが世界を救うと信じて疑わない「おとなしい
アメリカ人」を思い出して、先を読み続ける元気が出ない。

     (ちくま学芸文庫 01初 J)

(10/04/21へ続く~)
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by byogakudo | 2010-04-20 13:32 | 読書ノート | Comments(0)


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