2010年 04月 23日

越澤明「東京都市計画物語」を半分読んで諦める

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(~10/04/21から続く)

 超過収用についての説明(p124)がある。
<[略]道路や広場を新設・拡幅する際、その道路・広場予定地の 
 周囲までも都市改造実施前の安い地価で強制買収することが
 できるという制度である。[中略。都市改造後の]売却処分の収入は
 都市改造事業の財源となり、道路の沿道や広場の周囲の区画は整理
 され、綺麗なビルディングが建ち並ぶことになる。しかし、都市改造
 実施前の裏宅地時代に居住していた住民は追いたてられることになる。>

 やっと細民(差別用語)への視点が記述されるが、都市計画についての
本であり、政治の目配りが必要な事柄にまで話を広げるのを避けたので
あろう。そこは了解する。

 しかし、村長個人の意志と熱意で区画整理が行なわれた玉川村の
記述で、
< ところが、基本設計図が出来あがり、計画の全容が明らかになると、
 純朴な農村にとってはあまりに革新的で破天荒な内容に全村が賛否
 入り乱れて騒然とした状態となった。>(p169)

 農村の枕詞に、躊躇なく「純朴な」が付けられるセンスが解らない。
この種の肌理の荒さには、肉体的な疲労を覚える質なので、もはや
諦めよう。

 新宿西口も郊外の住宅地も、すでに戦前に計画されていたことを
知り、戦後の東京は、むしろ、それらの遺産を無にして来たような
ものであるとは解った。
 興味あるジャンルの本ではあるが、著者の日本語センスとの乖離は
いかんともし難く、読み続けるのを諦めることにする。

 自分でも、めんどくさい奴だなあとは思うけれど、合わないものは
どうしようもない。
     (ちくま学芸文庫 01初 J)
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by byogakudo | 2010-04-23 18:17 | 読書ノート | Comments(0)


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