猫額洞の日々

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2010年 05月 07日

吉井勇「歌境心境」半分強+島田一男「夜を生きる男」も読み始める

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 写真は三鷹のライト風住宅(門扉はモンドリアン調)。

 吉井勇について何も知らないのでwebで調べてみたが、
最初の結婚にスキャンダルが起きたので、四国の山中に
隠棲したと理解して良いだろうか? 別に、妻の側の醜聞で
夫が世を捨てることもなかろうに。

 「万葉集」が戦時中にイデオロギッシュに扱われていた
らしいとは、なんとなく知っている。
 「瀬戸内海と萬葉集」の章では、

< 純情素朴な萬葉集の歌の精神は、まさしく本當の
 日本人が持ってゐる、大和民族としての力強い性格で
 あつて、それを風土的に、最も明るく美しく現はしてゐる
 のが、この瀬戸内海の自然なのではないだらうか。瀬戸
 内海の風光は[中略]、極めて男性的であつて、[中略]
 萬葉集の歌人達がうたつた瀬戸内海は、豪壯雄大なものが
 多く、讀むものの心に忘れることの出来ないやうな強い感動を
 與へてゐる。そしてその感動こそは、今日世界に雄飛してゐる
 日本人の強い気魄をつくつたものであつて、言ひ換へれば
 これ等の歌は、吾々大和民族の激しい息吹から生れたもの
 なのである。>(p104)

 (ああ、旧漢字・旧仮名遣い変換ソフトがインストールできない
かなあ。里見弴も内田百閒もすぐに変換されるようになったの
だから、不可能じゃないと思うが、需要の問題か。)

 戦中の日本の文学者は大抵、似たようなメンタリティだったの
だろうが、これなら確実に出版できる。<今日世界に雄飛してゐる>
以下の雑な論理が、かなしい。

 今日は神保町の往復の間、島田一男「夜を生きる男」(春陽文庫
73年27刷 J)を読み始めた。未整理の文庫本袋から見つけた。

 ソフィア・ローレンあたりがモデルかと思わせる、J画の女の顔が
愉しくて手にしたら、まったく日活無国籍アクションみたような
ストーリーだ。大デパートの社長のどら息子という触込みで、
暗黒街に潜入調査する公安調査官が主人公。ジャンク趣味が
満喫できる。
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by byogakudo | 2010-05-07 19:45 | 読書ノート | Comments(0)


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