猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2010年 05月 09日

島田一男「夜を生きる男」読了+内田魯庵「貘の舌」少々

e0030187_13481881.jpg









click to enlarge.



 写真は、三鷹のライト風のお隣。塀が巡らせてありジャンプして
拝見したら、すてきなヴェランダもあった。見学できないかなあ。

 ときどき発作の起きるジャンク趣味だが、島田一男「夜を生きる男」は、
1960年頃の東京風景が記されていて、満足。

 第一章「女豹の賭場」では、秘密の賭博場に案内する女たちが、
日吉坂上、白金台町、上大崎、三ヶ所の都電停留所に立っているから、
好みの女を選んで、連れて行ってもらえと指示される。

 主人公の公安調査官が悪徳警官に化けて(?)香港の麻薬取引
ルートを探る「白い十三階段」では、交渉場所に<浅草から銀座川へ
行く水上バス>が指定される。

 <水上バスは、隅田川を下り、浜離宮前から汐留川にはいって、
 銀座の南はずれの新橋まで行くことになっている。この間、蔵前、
 両国、新大橋などで止まるが、乗船下船の客がないと素通りして
 しまう。[大幅に略]水上バスの乗船場は、隅田公園の入り口近くに
 あった。
  乗車券を買って、船に乗った。__小さなランチである。甲板に、
 そまつな板の腰掛けが並べてあり、中年の男がひとり、ポソッと
 腰をかけていた。
  もう発船時間だが、ほかに客は乗っていなかった。夏場と違って、
 木の葉が落ちるころからは、利用者が少ないのだろう。[略]
  乗船券発売所でジャラジャラが鳴った。ちょいと癖のある女の声が、
 スピーカーから流れた。__水上バスの乗船をくり返しくり返し
 知らせている。[略]
  若い男が、とも綱を解きにかかった。__船長と水夫ひとりという
 ささやかな川蒸気である。>(p179~180)
そして主人公は、<無事に、銀座八丁目の河岸へ上陸した。>
     (春陽文庫 73年27刷 J)

 これも篠原知子さんから教えて頂いた「貘の舌」(内田魯庵
ウェッジ文庫 09初 帯 J)で、「貘の舌 (十九)猫」だけ読む。
 二葉亭四迷の猫っ可愛がり様は、今の猫好きの可愛がり方と
同じである。 
[PR]

by byogakudo | 2010-05-09 13:42 | 読書ノート | Comments(0)


<< 内田魯庵「貘の舌」半分強      吉井勇「歌境心境」読了 >>