猫額洞の日々

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2010年 05月 24日

平山廬江「東京おぼえ帳」読了

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 いまいち判然としないのだけれど、芸者は歌舞伎役者のパトロンになり、
その芸者は政府高官たちのパトロナージュ下にある、という関係だった
ようだ。富の再分配みたようなことかしら。誰もそんな言葉では、認識
しなかっただろうが。

 絵描きたちの話・「画家と骨董屋」に、新画と呼ばれた寺崎広業以下の
面々が、鎌倉時代の風俗、狩衣姿でのし歩くエピソードがおかしかった。

< これならば見た目が優美で、胴長足短かの日本人に誰れが着ても
 よく似合ふし、色どりにも模様にも変化が多く、袖と裾のかがり紐を
 きゆうと引きしめさへすれば、立ちどころに甲斐々々しい身づくろひ
 にもなる、[以下略]>(p155)

< 「まるで曾我の十郎五郎が迷児になつた見たいですね」>(p155)
という批評もものかは、今に日本中の男どもが真似するに違いないと
信じて六人、歩き回っていたある日、
<[略]子供がぞろぞろついて来て追へどもはらへども退かない、
  「こら、つくなつくな、なぜついて来るのだ」[中略]子供の中の
 餓鬼大将曰く、
  「神主さんのおともらひでせう、お饅頭を下さい」>(p156)

     (ウェッジ文庫 09初 帯 J)
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by byogakudo | 2010-05-24 14:42 | 読書ノート | Comments(0)


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