2010年 06月 15日

押井守「立喰師、かく語りき」読了

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 映画「立喰師列伝」の作画方法や、アニメ化されたスティルの状態で
登場した出演者たちへのインタヴュー、押井守と笠井潔、押井守と
冲方丁の対談等、盛りだくさんなインサイド「立喰師列伝」本だ。

 「第6章NOW AND FUTURE__たとえ世界がすべて敵だとしても」
と題された押井守と冲方丁の対談を読んで、やっと少し今の若い人々の
状況が解ったような、気がする。気がするだけで、身にしみて理解した
訳ではない。だって、こちら、すでに長い長いアナログな過去を持ち、
デジタルな世界をアナロジーで解釈するしかない老人である。

 冲方丁は1977年生まれというから、2010年現在33歳か。
 システムもツールもすべて完成された世界に生まれてしまっては、
カテゴライズされた選択肢の中からチョイスすることしかできない。
 自発的な消費行動ではなく、消費する存在としてシステムから
期待されてるだけの状況、というのは、それは辛い。

 酸欠が普通の状態であるような時代に、若い人間として生きている
のは、__すまぬ。ケリをつけて来なかった世代の同時代者としての
責任の一端は感じる。70年代の若い衆全員が学生運動をやっていたの
ではなく、わたしがして来たことと言えば、ひとりで世界からズラカルことで、
なんとかあなた方も逃げ延びて下さい、としか言えないけれど。

     (徳間書店 06初 帯 J)
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by byogakudo | 2010-06-15 14:03 | 読書ノート | Comments(0)


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