猫額洞の日々

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2010年 07月 01日

明治感覚

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 市ヶ谷に行ったときの写真だと思う。夕方になり、そろそろ戻ろう
としていたら、駐車場の奥に続く路地が、どうも人招き顔だ。

 入って行ったらプレートがある。尾崎紅葉がこのお家を借りていて、
泉鏡花が玄関番をしていたとか書いてあった。もちろん、建て直される
前の話である。
 しかし、鉤の手に曲がる板塀の様子、苔や敷石、お庭に植えてあった
のはホトトギスだっただろうか、それに道路近くの大銀杏・・・。
 生まれて初めて、明治時代が現実に在ったのが実感された。

 1930年代頃の東京なら、本や写真からの知識、かろうじて残る
建物を見ることなどで、ほぼ視える。(と、思っている。)
 明治となると、頭の中でうまく映像化できない。1960年代までの
木造日本家屋なら、明治の住宅と基本的に大した違いはない筈だが、
明治の空気を感じたことはない。

 穏やかな夕暮れ時と、あのお宅の佇まいとが相俟って、「明治」が
立ち上がってきたのだろう。

 今月も鈴木創士氏のサイトを読もう。
 第4回 私はボルヘスであった、私はボルヘスになるだろう
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by byogakudo | 2010-07-01 16:04 | 雑録 | Comments(0)


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