2010年 07月 13日

鮎川哲也「黒い白鳥」読了/「黒いトランク」へ

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 東京がメインの小説ではあるが、関係者の足取りをたどって、
関西にも出張・調査する場面がある。
 京都から大阪はジャンジャン横町の近く、飛田遊郭への調査だ。
ジャンジャン横町も飛田遊郭も名前は聞いたことがあるけれど、
いちども大阪に降りたことがないので想像するのみ。

 東京を舞台にした小説が今まで沢山書かれて来たのは、地名を
記しただけで、なんとなく背景が解るような気がするからだろうか。
 まさか、そんな不精な理由で・・・?

 飛田遊郭の描写は、
< [略]大通りを横断して一歩遊郭に入ると、あたりの空気は一変
 してしまう。ただあるいてみただけで、そのきれいに掃かれて紙きれ
 ひとつ落ちていない通路にも、そのけばけばしい色彩をきらって故意に
 地味なつくりをした構えにも、ここが全国に名の知られた飛田遊郭
 なのだ、見そこなってもらいますまいとでも言いたげな、肩ひじを
 張って妙に格式のたかさを誇示しようとするような、いわばむりに
 背伸びをしている感じをうけた。>(p232)
 と述べているのは、もちろん作者ではなく主人公・鬼貫氏。

     (角川文庫 75初 J)




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by byogakudo | 2010-07-13 14:37 | 読書ノート | Comments(0)


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