2010年 07月 14日

鮎川哲也「黒い白鳥」に追加

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 昨日、時間がなくて書きそびれたが、「黒い白鳥」最後の謎解き部分で
日本語論__発音に関して__が行なわれる。

 敗戦後、東京に地方出身者がふえたせいで、風俗や話し言葉に際立った
変化が見られるようになった。たとえば鼻濁音である。

< 「[略]だいたい、北海道、東北、関東から関西にかけてのひとは、
 自然に鼻濁音ができるんです。これができないのは九州地方のひと
 たちと、ふしぎなことに、群馬県の人間なのです。[以下略]」>(p390)

< 「もうひとつ、地方出身のひとが容易にマスターできない標準語の
 問題に、カ行とタ行の無声音があるんです」[中略]

  「例えばですね、冬になると降ってくる雪、この場合のゆきの『き』は
 有声音ですけど、これを子供の名前にして、雪ちゃんというときの
 『き』は、無声音になるんです。[中略]
 おなじことが『つ』の場合にも言えるんですよ。デスクの机という言葉を
 発音する場合にですね、やっぱり『つ』は無声音になります。ローマ字で
 かけば、tskueであってtsukueではない。[中略]
 ぼくがローマ字論者に対してにわかに賛成できないわけは、ローマ字に
 すると、ますます有声音と無声音の区別がみだれてしまうからなんです。
 [以下略]」>(p391~392)

 鼻濁音はともかく、日本語に有声音と無声音の違いがあるのを、初めて
知った。

 高低アクセントが存在しない九州出身者なので、関西のひとならアクセントを
逆にすればよいが、そもそもの基準になるアクセントがないと苦労する。
 今は、わからなくなると、Sに「どっちだっけ?」と聞けばいいので、かなり
楽になり、TVのアナウンサーの発音のおかしさも指摘できるようになった
けれど、鼻濁音は意識してないと怪しいし、有声音・無声音については、
今後、検討(?)してみます。
     (角川文庫 75初 J)




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by byogakudo | 2010-07-14 14:20 | 読書ノート | Comments(0)


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