2010年 07月 29日

安部公房「第四間氷期」読了

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 写真は、2010年の廃墟。

 若い頃になぜだか手が伸びなかった安部公房。古本屋を始めたとき、
(現役の)若いお客さまから、「SFみたいなもんです」と言われても
まだ読まない。先週、五反田で見つけて、やっと買う気になり__
文庫本だったら、たぶん買わなかっただろう__、昨夜読み終える。

 すてきにSFだ。1958年から59年にかけて、日本語でこれほどの
SFが書かれていたと知って驚いた。連載発表誌が「世界」だとあるので、
もっと驚く。もっとも、「世界」を読んだことがないが。

 発表当時の反響はどうだったのだろう? 昭和30年代のことだから、
ひどく深刻に受止められていたのではないかしら。ドッペルゲンガー
発生理論の作り方が巧い、なんて反応は、おそらくなかっただろう。

 個体発生は系統発生を繰返すが、途中で手を加えて、その生物を
系統発生から引離して新種を作る、という方法で水棲動物を生産する
工場の件りを読みながら、山田風太郎の忍者ものに於ける人体の
変容を思い出した。

 ふたりとも(たしか)医学部出身の小説家で、昭和30年代に
人体の変容に想像力を伸ばしている。どういうことか。

     (HPB 67再)




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by byogakudo | 2010-07-29 13:53 | 読書ノート | Comments(0)


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