2010年 08月 18日

殿山泰司「バカな役者め!!」読了/坪内祐三「まぼろしの大阪」へ

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 「バカな役者め!!」第2篇『ああ辻町遊郭よ!!』では、ロケ先の
沖縄(1970年頃)で、戦前の琉球の思い出がよみがえる。

 内地から赴任してきた役人に、本当の恋人であるかのように接し、
彼が離島してからも恋愛の記憶を持ち続ける、愛の娼婦との出会いは、
流蓮(いつづけ)の日々になり、濃密な時間は忘れ難いものとなる。

 沖縄の風と光が伝わってくるシーンは、一転する。一緒に登楼した
若い男は、戦中にガダルカナルで餓死か戦死かわからない死を迎え、
最初に上がった遊郭と違う遊郭にやって来たので、どこからも排除され
「何故だ!」と嘆いた男も、京都の撮影所の隅に余生を送り、思い出を
壊したくない殿山泰司は、もはや今の辻町を訪れようとはしない。

     (ちくま文庫 01初 帯 J)

 もう一冊、殿山泰司が残っているが、坪内祐三「まぼろしの大阪」
(ぴあ株式会社 04初 帯 J)を入れる。




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by byogakudo | 2010-08-18 15:30 | 読書ノート | Comments(0)


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