2010年 08月 29日

村井弦斎「酒道楽」、やっと読み終える

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 写真は、一昨日の「清洲寮」。同潤会と同じ時期の建物だと、すぐ解る。
民間のアパートメントが補修しながら使われ続け、公営の同潤会アパート
メントは全滅させられた。

 たとえば、長谷川如是閑の文明批評エッセイなぞは愉しかったのに、なぜ
村井弦斎は愉しくないのだろうと、ずっと思い続け、やっと気がついた。
 ディスカッション小説と思って読んだから退屈だったのだ。いまで言う
「情報エンタテインメント」として読むべきだった。蘊蓄は、うまく小説の中に
組み込まれていないと、あんまり面白がれない質なのを忘れていた。

 手を替え品を替え、飲酒癖からの脱却の難しさが書かれているが、克己心
だけでは、アルコール中毒からの回復は叶わないと、いまの読者としては、
そう思う。

 合理的な判断で生きることが正しい生き方であると信ずる文明開化側と、
理屈では解るが、それでも酒に酔うことの魅力には勝てない野蛮な(と、
開化組から呼ばれる)生き方との対比で、話は進む。
 「スタートレック」の理性のひと=宇宙人スポック氏がアイドルだけれど、
主人公・開化組には、どうも儒教+プロテスタント臭が感じられて、感情移入
できなんだ。

     (岩波文庫 2006初 J)

 さあ、お師匠さんからお借りした宮ノ川顕の新作にかかろう。





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by byogakudo | 2010-08-29 11:42 | 読書ノート | Comments(1)
Commented by エス at 2010-08-29 17:22 x
もうすぐ夏だね。ツイターのせいなのか、最近昔の枯れ尾花が飛び出してきたりして、ちょっと不思議な感じ。それが一人じゃなくて…。調子わりぃ。どうしても書かねばならぬ「書類」があるのですが、それが何日もどうしても書けない。夕立が来ればいいな、と空に唾吐いてます。ボンジュール。


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