猫額洞の日々

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2010年 09月 07日

(3)ヒルトン「鎧なき騎士」を止めて正岡容「東京恋慕帖」にする

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~9月2日より続く

 写真は蔵前で。鏝絵だと思うが、洋風の花綱模様は珍しくないかしら。

 おっとりはいい。けれど、テンポがのろ過ぎて、遂に「鎧なき騎士」(ジェームズ・
ヒルトン 創元推理文庫 76年4版 J)を諦めた。半分以上は読んだが、伯爵夫人と自分
自身の亡命にプラス、アナスタシアまで引き受けざるを得ない展開に、もういいよと。

 後は拾い読み。鎧なき騎士は最後の最後まで個人的な事情を語ることなく、静かに
死んで行く。目立つことを厭う紳士の振舞いは結構だけど、運命の歯車に実を任せ、
国籍も名前も様々に変えることに悩まないのか。
 誠実な人格と行為は、どんな名前を用いようと変らないから、それでいいと本人と
作者は思っているふしが見られるが、内戦だから、生き延びる方が先決で、自己認識の
問題は忘れて過ごせるものだろうか。そこらを書くと文学になっちゃうから避けたのか。

     (創元推理文庫 76年4版 J)

 という訳で、正岡容「東京恋慕帖」(好江書房 1948初? J)。発行年があやふや
なのは、奥付が破り取られているから。紙質の悪さやヤケシミの様子で、たぶん
好江書房の初版だと思う。

 後ろ見返しに、青いインク文字で書いてある。

<昭和二十七年 七月二十五日
 渋谷 宮益坂上の古本屋にて
 浅草へ(?)の想い 耐えがたき>そして名前。
 





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by byogakudo | 2010-09-07 13:45 | 読書ノート | Comments(0)


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