2010年 09月 08日

正岡容「東京恋慕帖」半分ほど

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 写真の猫は、8月22日、八丁堀(入舟)界隈で会った。風の通り抜ける路地
ではないが、いちおう日陰の駐車場脇。わたしたちが去った直後、向いから
やって来た男性にじゃれていた。顔なじみなのだろう。

 文庫本は手軽だし、敗戦直後の古本と違って、誤植なども少ないだろうから
読みやすい。だけど味わいは、たとえ奥付欠とは言え、断然こっちだ。それに
文庫版の縦横比に合わせて、木村荘八の表紙画の上の方がカットされてるし、
裏表紙は絵ではなく、きっと文字情報だけだろう。寂しいじゃない?

 と、言いながらも実情は、ほとんど文庫本で済ませているが、ふつふつと、
吉井勇の単行本が欲しくなっている今日この頃だ。貯金すれば全集は買える
けれど(溜められるのか?)、やつれていても刊行時の趣きが残る単行本で
読みたいなあ。読めればなあ。

 大正期に、仁丹と同じような口中香錠で「ゼム」というのがあったそうだ。

<そのころ東京の屋根屋根には菱形の中に西洋風の麗人の大首絵を
 覗かせたゼムの広告が、美髯将軍の仁丹の広告と相並んで君臨し、
 前述小せんをして左のごとき句を詠ましめた。
          
          ゼム君の申され候
   仁丹と隣り合せの寒さかな      >(p55)

(好江書房 1948?)





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by byogakudo | 2010-09-08 14:33 | 読書ノート | Comments(0)


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