2010年 09月 14日

「中川一政文選」もう少し

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 写真は、先週の雑司が谷、鬼子母神参道で。

 そう言えば絵描きには文章家が多い。小出楢重、木村荘八、鏑木清方等の
随筆はどれも愉しい。建築家にも名文家が多いが、ときどき言葉が多すぎる
とも感じる。絵と違って、街中にデンと名文の結果が建っているのが、ハンデ
にもなる。

 ほとんど作品を(画集や図録でも)見たことがない、あまり興味を惹かれない
タイプの絵描き・中川一政だが、やはり文章家のひとりであろう。
 漢文の対句表現というのかしら、あの応用展開が巧い。

 文庫本で「ひと」とジャンル分けされた中の「デフォルマシオン(四)」から
引用してみる。いま読み直すと、他の箇所にもっと面白い記述があったと
思うが、どこだか解らなくなった。
 随筆の依頼を断ろうという話だ。

< 私は『顔を洗う』という随筆を出したから今度は『足を洗う』というのを
 出したらよいだろうと思うが、それ程清潔にする程の事も無かろう。要領は
 私の一番やりたい事、一番むずかしい事、生涯をかけてやりたい事に大部分の
 時間と労力をかけよう。[以下略]>(p263)

 ヒューマーはある人で、充分それは感じられるのだが、あんまり求道的・
真一文字になられると、つき合いきれない。不良っ気が邪魔して、すんなり
読み過ごせない。そういう時代と人とがあったというのは、(いやになるほど)
よく知っているが。
     (ちくま文庫 98初 J)





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by byogakudo | 2010-09-14 13:04 | 読書ノート | Comments(0)


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