2010年 09月 25日

レイ・ラッセル「血の伯爵夫人」読了

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 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄

 趣味のいいお洒落な、違いのわかる男かもしれないが、小説家としては
どうだろう? いちばん肝心な、書きたい! 書かずにはいられない! 
というのが伝わってこない。

 タイトル作「血の伯爵夫人」はバートリ・エリザベート異聞であるが、
矮小化されたサドもどき、という感想だ。

 エリザベートは無知なあまり性本能を認識できず、雄々しい美貌の影に
邪悪さを隠した夫とその愛人にしてやられ、残虐行為に加担するはめになる。
 自分も処罰を受ける覚悟で告発するが、夫は名誉の戦死を遂げて、おとがめ
なし、手下どもは処刑され、告発書を届けた筈の腹心の乳母は、エリザベート
ではなく自分がやった行為だと主張して、愛人とともに極刑にさらされ、彼女のみ
幽閉されて死を待つ。

 皮肉な結末と作者は思っているようだが、そうかなあ。頭の悪いプチ・
ジュスティーヌが恨みがましく愚痴ってるお話にしか思えず、わたしは悲しい。
サドの換骨奪胎のつもりかもしれないが、サドはこんなにケチくさくないでしょ。

     (ソノラマ文庫 86初 帯 J)





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by byogakudo | 2010-09-25 13:03 | 読書ノート | Comments(0)


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