2010年 09月 29日

シオドア・スタージョン「影よ、影よ、影の国」読了

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 愛らしいタイプの作品が集められたスタージョン短篇集だ。

 「嫉妬深い幽霊」は、「秘密嫌いの霊体」と同じアイディアから
作られたようなラヴ・ロマンス。

 「超能力の血」は、フェミニズム小説の一種ではなかろうか。
 いきなり主人公が切羽詰まっている。ずっと彼の焦燥感が描かれる。
いったい何の話だろうと読み進めて行ったら、超能力で妻の出産
(と、もうひとつ)を体験できる夫の物語だった。どこからこんな
ストーリーを思いつく? 思いついて小説に仕立てられる?

 「地球を継ぐもの」は、ちょっとラファティを思い出した。そりゃあ
ラッコは可愛いけど・・・。

 最後が「死を語る骨」。殺された被害者の網膜に残った映像から
加害者を特定する話があるが、網膜ではなく骨に置き換えてある。

 このシステムを開発したのが、<車線間のコンクリート壁を動かす
ことによって、ハイウエーの交通量を調節する>仕組みとか、
<五分の一秒から三十分まで好きな長さの間隔をおいて、三十発
撃てる銃>とかの発明者である。
 被害者の骨による犯人特定システムも、勿論、ひょうたんからコマで
発明された。

 スタージョンはいいなあ。
     (ソノラマ文庫 84初 帯 J)





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by byogakudo | 2010-09-29 13:17 | 読書ノート | Comments(0)


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