2011年 01月 19日
click to enlarge 意外によかった。シリーズものは、初期がいいってことかしら? パージェター夫人・シリーズ、第二作だそうである。 シリーズ後期から読んでしまったが、なんだろう、作者も初めの頃の 方が、飽きてなくて生き生き書ける、ということだろうか。 暗黒街の大物の未亡人・パージェター夫人を、かつての部下が助けて、 事件を解決するパターンは同じなのに、こちらは、くどくなくてさらっと している。 舞台がロンドン郊外の高級住宅地、住民は30~40代の上昇志向の 管理職という設定が、おかしみの元だろうか。パージェター夫人は たしかコクニーで喋るひとだったが、気分を変えてアッパーミドルの 真っただ中に越して来る。 手入れの行き届いた庭に磨きあげられた窓、男たちは週末にしか 家庭に戻らず(車が2台並んでいるので、それとわかる)、女たちは それぞれ体面を保ちながら閉じこもった暮しをしている。 高級・中級にかかわらず、郊外の住宅地は憂鬱なものだけれど、 そんな静かな住宅地の不穏な底流を、パージェター夫人は感じとり、 やがて彼女が住んでいる家の前住人が、夫婦揃って行方不明という 事態が明らかになる。 ミドルクラスへのからかいの視線が愉しい。 (HPB 89初 帯)
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by byogakudo
| 2011-01-19 14:21
| 読書ノート
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