2005年 10月 12日
「わがマレーネ・ディートリヒ伝」(鈴木明 小学館ライブラリー 91初帯)を読む。 ドイツについて、まともに考えたことがなかった。 そもそもドイツ語の響きが苦手で__例外はD・ボウイーがドイツ語で歌う 「ヒーローズ」。これは恰好よかった。英語盤より更に痛切なイメージが聞こえる。 __、一生 自分には縁のない世界と信じて生きてきた挙句、建築関係の洋書には 素敵なドイツ語ものが多いのに気付き、後悔する破目に至ったのだが、さて、ドイツ の歴史である。 わたしの頭の中では、神聖ローマ帝国から いきなりビスマルクのプロシアに飛んで ヒトラー、アデナウアーと続く、ドイツ史です。無茶苦茶だ。 ずっと、日本の戦後処理に比べてドイツはまともだと考えていたけれど、よく考えて みれば、かなり五十歩百歩なところがある。両国とも、戦後の冷戦体制をよいことに 経済発展の道を突き進み、ファシズム考察を怠ってきた点では、同罪ではないか。 勿論ドイツはユダヤ人への補償を誠実に行ってきたし、翻って日本では、という 重大な違いがあるけれども、アデナウアーと岸信介とが同期に存在していた事実が 意味するのは、人々がファシズムへの忘却と責任回避の意志をもって 戦後を 生きてきたということではないか。 あまり大きな言葉で思考したくはないけれど、でもケリなんて一度もつけて こなかったじゃあないかと、ディートリヒと共に考えた一晩だった。 クリックをよろしく! 本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
by byogakudo
| 2005-10-12 14:22
| 読書ノート
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