猫額洞の日々

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2011年 02月 09日

結城昌治「ひげのある男たち」読了

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 そうだ、これもあるんだったと店の棚から拝借した結城昌治
「ひげのある男たち」(早川書房 59初 函 元セロファン・見返しに
張付け)、アーサー・ライアンズより、ずっと楽しめた。

 郷原部長が飼っている17匹の雑種犬の一匹(ブルドッグの雑種)が、
「ブルガーニン」と名付けられているのや、殺された美人が勤めていた
ナイトクラブが「ダイアナ」なのに反応するのは、わたしが長い年月を
閲してきた、ことを示す。

 子どもの頃に覚えたことは忘れない。さすがに顔までは思い出せないが、
ブルガーニンと聞くとソ連の首相と反応するし、ナイトクラブ名「ダイアナ」は、
被害者がNo.1ホステスながら、客の男たちにもてはやされても硬い表情を
崩さないところに、アルテミス=ディアーナの冷感症性と、1957年のポール・
アンカのヒット曲「ダイアナ」(この歌自体、神話に基づくが)とが掛けられて
いるのだろうと想像する。

 でも、郷原部長宅の庭には郷原夫人が嫌がっても、犬が17匹、とぐろを
巻くスペースがある。いまの建売り事情と比べると、50年代・60年代の
東京は遥かに豊かに思える。人口が違うから、というだけの問題だろうか。

 家の周囲の糊代みたような隙間にアリバイ工作めいた数本の樹木を植え、
玄関前は駐車場になる、いまの建売り住宅を、当時目にしたら、なんと言う
だろう?

 軽快なテンポで始まり、最後の謎解きシーンは、アプレゲールの哀しみが
迫ってくる。





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by byogakudo | 2011-02-09 13:05 | 読書ノート | Comments(0)


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