2011年 04月 06日

ハリイ・ケメルマン「水曜日ラビはずぶ濡れだった」読了

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 昔から作者名もシリーズ名も知っていて読んでなかった本、のひとつ。
なるほど、人気シリーズだったのだろう。

 ユダヤ教について解説する箇所が面白くて、事件が起きていたのも
忘れていた。さらっとした謎解きに好感が持てる。トリックが山盛りじゃ
ないと満足できないハードコア(?)ミステリ・ファンは、どう思うのか
わからない。

 主人公のラビによれば、ユダヤ教は人生哲学的な倫理宗教で、
キリスト教は神秘的な宗教になるそうだ。

 ユダヤ人には神は不可知な存在なので、キリスト教的な意味での
信仰はほとんど意味がない。

<われわれの宗教は一つの倫理行動律です。モーゼの掟トーラは
 行動を規範する一連の規則だし、預言者たちは倫理的行動を説いた。
 ラビたちの議論や論争から成ったタルムードも一般行動律をどのように
 運用するかを細かく述べたものにすぎない。ついでながら、これまで
 ユダヤ人が宣教をほとんどしなかったのもそのためですよ。われわれには
 売る物は何もない。秘密も魔法の形式もなければ、天国の扉を開く入会の
 儀式もない。ときおりキリスト教徒が改宗したいと来るんですが、その時にも、
 そう言うんですよ。われわれにはあげるものと言っても、自分たちの倫理と
 生活の仕方しか何もないんですからね。>(p240)

 果たしてこれが正統的なユダヤ教の考え方がどうか知らないが、国家間では
仲の悪いイスラム教と、似たようなものに感じる。
 モスクのカジュアルさから、イスラム教のイメージを作っている奴の妄言なので、
本気にされても責任を負えないけれど。

     (HPB 77初)





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by byogakudo | 2011-04-06 12:42 | 読書ノート | Comments(0)


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