2011年 05月 22日

フレドリック・ブラウン「火星人ゴー・ホーム」読了

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 地球にある日、十億の火星人がやって来た。絵に描いたような
緑色の矮人で、地上の全言語をすぐに覚え、全人類の秘密を暴き出す。
 嫌がらせが大好き、人類を馬鹿にするのが楽しくて滞在していたよう
であるが、何しに来たのか(地球征服のためではない)結局わからない
まま、ある日いなくなる。

 一応の主人公がスランプのSF作家。火星人の話を書こうとしていた
ときに火星人がいきなり現れたのでショックを受け、現実認識に混乱を
来す。幻覚でないなら、火星人は現実である。他の人々も見ている。
 しかし、火星人なんて、ほんとにいるのだろうか? 頭の中にあった
思考が現実化したのだろうか?

 悩んだ末に彼は、火星人の実在を下意識に押し込める。想像の産物
だから、想像を止めれば火星人もいなくなる、という論法だ。
 けれども、火星人が彼の想像の産物であるならば、火星人滞在時の
人類の混乱ぶりを記述して来たのは、誰でしょう?と、二重構造に
なっているメタSF。
     (HPB 58初)





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by byogakudo | 2011-05-22 19:06 | 読書ノート | Comments(0)


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