猫額洞の日々

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2011年 06月 03日

中野公会堂(現・なかのZEROホール)

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 昔は日本中に「なんとか公会堂」と称する公営施設があった。今では
大抵建て替えられ、「なんとかホール」になっている。

 地方都市の公会堂では、たとえば新劇の旅公演が行なわれたりして
いたが、Sが通った中野区の小学校では「中野公会堂」を借りて
学芸会が催された。小学校の敷地が狭くて講堂がないからである。

 公の舞台として使われるので、楽屋もちゃんとしたもので、化粧前が
ずらっと並んでいる楽屋から階段を下りて舞台に登場する作りだった、
とSは言う。

 小学三年生ころ、Sは「北風と太陽」で旅人を演じた(主役じゃん!)。
マントが必要になり、義母は黒い布に、濃いローズピンクの裏地を
つけた膝下丈のマント(首のところで紐を結ぶ)を縫った。

 北風が吹きつける場面では(大型扇風機があったらしい)、マントの
裾がからみ、上から青い照明が当たる。太陽が出ると、照明は赤に
変わり、小手をかざして目を覆おうSの動きにつれてマントの裏地が
赤く翻り、なかなか効果的だったと、義母が言う。
 「評判がよくって、次の年の公演でも、あのマントを貸してって言われて、
何度か貸してたら、そのうちどこかに行っちゃったみたい」

 フェルト帽を冠り、黒いマフラー、黒いマントだったが、足下までは何を
履いていたか、Sは覚えていない。

 そんな記憶のある「中野公会堂」だが、後年、おとなになってから、
Tim HodgkinsonやPsychic TVのライヴを見に行くようになるとは、
小学生Sの予想を超える。


 「この話、ブログに書いていい?」
 「だめっ。僕が死んでからならいい」

 しかし、ひとは通例、明日をも知れぬ身なので、今日書いておく。
忘れないうちにね。
 





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by byogakudo | 2011-06-03 19:33 | 雑録 | Comments(0)


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