2011年 07月 12日

ドロシイ・セイヤーズ「忙しい蜜月旅行」読了

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 昨日は失礼しました。

 ドロシイ・セイヤーズ「忙しい蜜月旅行」(HPB 58初)は、傷ついた男女が
結婚によって、それぞれ自己回復を成し遂げる物語だった。

 傷をなめ合うのではない。
 各自が自分のポジションを保ちつつ、同じ仕事(ミステリなので事件の解決、
ということになるが)に携わることで、相手を理解し、認め合い、男は第一次
大戦で負ったトラウマから、女は不幸な恋愛の記憶から解放され、一緒に
生きて行くことの地盤が打ち立てられる。

 「毒」を読んだときも、自立した女の視点が感じられたが、ここにも同じ、
自立的な男女関係がある。

< あの人は面と向つて、「あなた素敵な方だわ、あなたのなさることは
 何でも正しいわ」といつていいような男ではない。本心からそう思つて
 いようといまいと、そんなことをしたら、彼は相手を馬鹿だときめつける
 だろう。それにまたあの人は自分から、「俺は自分のやつていることは
 心得ている、俺の言葉を信用しろ」というような人でもない(そうでなくて
 ほんとに有難いわ)。理性的に考えて同意するか、さもなければ全然
 不同意か、どちらかを彼は望んでいる。>(p151上下段)

 恋愛は理不尽なものだが、結婚は理性に基づいた行動を要請される。





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by byogakudo | 2011-07-12 15:18 | 読書ノート | Comments(0)


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