2011年 07月 18日

常盤新平「雨あがりの街」読了

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 人々の思いが街をつくる。(手つかずの自然に対峙したときも、風景を成立
させるのは人間の眼差だ。)

 いまや都会は消滅した。人口が多く、経済活動が盛んな大都市はあっても、
「街」や「都会」は消え、コンビニと量販店の郊外が都市風景の大部分を占める。

 常盤新平の愛した銀座が1ブランド・1ブロックの街並に代わってしまった今
__大ブランドって、高額量販店としか認識できないのだが、入ってみたことも
ないので真偽は不明。__、憧れや眼差が「街」を成立させてきたのだと書いて、
若い人たちに伝わるだろうか。

 建物はすべて新建材、3階建て建売り住宅には玄関前の駐車スペースが欠かせない、
日常の買物はコンビニか大型スーパーマーケット、少し大きな買物は量販店か通信販売
で育ってきた人たちに、つつましく細部に目を配りながら仕事(暮し)を続け、銀座を
歩いていたときに見つけた、贅沢で愛すべき品物を、自分や家族のために買う愉しさが
記された、大人のエッセイ集の良さを、どうやって伝えよう。

 生活を律する意識が強い大人の文章が、ともすれば「癒し」だの「和み」だのと、
ふやけた言葉で括られないように伝えるには?

     (常盤新平「雨あがりの街」 集英社文庫 86初 J)





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by byogakudo | 2011-07-18 11:58 | 読書ノート | Comments(0)


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