2011年 07月 24日

本郷館も殺される・・・

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 7月いっぱいで本郷館も取り壊されるそうだ。今の所有者は会社組織だが、
元のオーナーは、おそらく相続税の問題で売却したのではないだろうか。

 歳月を経てきた建築物には、今では資金的にも技術的にも造れない建物が
ある。長年その地にあり、地域の風景を創り、界隈の人々や訪れた人々に
親しまれ愛されている建物が、戦火や大災害に遭ったわけでもないのに
取り壊され、殺されて行く。

 相続税による富の再配分の理屈は解る。けれども、風景や景観的な価値を
まったく認めず、杓子定規に固定資産税や相続税を賦課するのは、観光立国
とかなんとか言ってる国家の趣旨に反する、という議論も立てられる。
 今すぐ税収として入って来なくとも、景観や風景を将来的な観光資源として
見てみるなら、古くてうつくしい建物の維持保存にむしろ、お金を投資する
方法もあるだろう。

 石の建物と木造建築物は永続性が違う、と言われかねないが、古刹はすべて
木造建築物だ。個人所有の住宅やビルであっても、美の観点からの保存が
あっていいんじゃないか。

 役人の天下り先になり得ない、個人住宅や小規模商店のビルなんぞ存在理由が
ない、と思う人たちの手によって、今日も東京から欠片さえ奪われて行く。
 ゼネコンや金融を儲けさせない、天下り先にもならない「美」なんて、意味
ないんでしょ。

 古泉改革のときだったと思うが、小規模な有限会社を減らして、株式会社設立を
押し進める法案が通った。倒産の自由に溢れる、無限責任の会社や商店ではなく、
有限責任で、特定集団にとって使い勝手の良い株式会社を増やそうという意図だろう。
 自己責任は、貧者に押しつけられた言葉である。





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by byogakudo | 2011-07-24 13:40 | 雑録 | Comments(0)


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